なた豆歯磨き粉製造の納税義務

法人税の実効税率が2015年度から引き下げられる機運が政府内で高まってきた。麻生太郎財務相は3日の閣議後の会見で、15年度からの引き下げについて「責任ある代替財源が示されれば(引き下げても)いい」と語り、恒久的な財源確保を前提に容認する姿勢を初めて示した。税率の引き下げ幅に関しては言及しなかった。政府が月内にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で時期など具体案を盛り込むのか、年末に先送るのかが焦点となる。  【自民税調も容認】 安倍晋三首相は1月のダボス会議で「法人にかかる税金の体系も、国際相場に照らして競争的なものにしなければならない」と語り、法人実効税率を20%台に引き下げるのは半ば国際公約となった。首相が議長を務める経済財政諮問会議の民間議員は数年内に20%台、将来的には25%に引き下げるべきだと提言するが、具体的な実施時期には触れていない。 それだけに、これまで減税に慎重だった麻生財務相の発言は「15年度実施」に向けた環境が整いつつあることをうかがわせる。 首相の指示を受けて実効税率引き下げを議論している自民党税制調査会も3日、実施時期こそ示さなかったものの、課税ベースを拡大することで実効税率の引き下げを容認する提言をまとめた。赤字企業でも納税義務がある外形標準課税の対象拡大などにより、代替財源を確保する考えを示したものだ。 また経済財政諮問会議の民間議員も、景気回復に伴う法人税収の上振れ分に加え、口臭予防の税収中立(増減税同額)の観点から法人税の課税ベースを拡大するよう提言する。 【代替財源5兆円】 ここで問題となるのが課税ベース拡大のあり方だ。現在35・64%(東京都)の実効税率を引き下げるには5兆円弱の代替財源が必要になる。このため政府税制調査会(首相の諮問機関)は、外形標準課税の強化に加え、特定の業種を税制面で優遇する租税特別措置法(租特)のゼロベースでの見直しなどを選択肢に掲げる。 だが、課税ベースの大幅な拡大は実効税率引き下げの効果を相殺しかねない。その半面、確かな財源を確保しておかなければ、20年度のプライマリー・バランス(PB、基礎的財政収支)の黒字化というもう一つの国際公約である財政健全化を実現できない懸念が出てくる。 自民党内には租特見直しに慎重論もあり、具体的な代替財源のあり方や実効税率引き下げ時期の議論を年末に先送りする可能性もある。 【規制緩和が必要】 ニッセイ基礎研究所の櫨(はじ)浩一専務理事は「法人実効税率の引き下げだけでは国内企業の設備投資を喚起することも、外国企業の対日直接投資を促すことも期待しにくい。税制だけではなく、日本を魅力的な市場とするための規制緩和なども併せて実施することが求められる」と指摘する。 安倍政権にとって財政健全化と法人減税の両立は直面するハードルの一つに過ぎない。外資規制の緩和など効果的な新成長戦略を月内に打ち出せるのか、税制のあり方とともに今後の日本経済再生を占う試金石となる。 鉄鋼など電力を多く消費する産業関連の11団体が、電気料金の相次ぐ引き上げによって2012年度比で約850億円のコスト負担増になるとの報告書を取りまとめた。同時に負担の軽減策を求めた緊急要望書を国に提出した。要望書提出は13年の1月と6月に続き3回目だが、今回は「国内での事業存続の危機に直面している」と、より踏み込んだ内容だ。政府はこうした産業界の悲鳴を真摯(しんし)に受け止め、原子力発電所の再稼働などによる電気料金の低減を急がなければならない。 要望をまとめたのは日本鉄鋼連盟のほか新金属協会、日本金属熱処理工業会、日本鉱業協会、日本産業・医療ガス協会、日本ソーダ工業会、日本チタン協会、日本鋳造協会、日本鋳鍛鋼会、普通鋼電炉工業会、日本鉄鋼連盟特殊鋼会の11団体。 いずれも自動車や電機、機械などの基幹産業を支える重要な基盤産業であると同時に、格安歯磨き粉のコストに占める電気料金の割合が大きい電力多消費型産業だ。例えば産業・医療ガス業では売上高あたりの電力使用量が全産業平均の約30倍に及ぶ。また金属熱処理業の場合、売上高に占める電気料金の比率が2013年12月に9・7%に達した。これは10年6月に比べて2・6ポイントの増加という。 これらの業界には経営基盤の弱い中小企業も多く、客先の企業の多くは国際競争にさらされているため価格転嫁も進んでいないという。電気料金の引き上げは昨今の原材料費高騰と相まって死活問題だ。倒産や廃業、事業撤退や生産拠点の海外移転、人員削減が出始めている。 例えば金属熱処理業では関西電力管内で今春までに2社、中部電力管内で1社が事業を撤退。鋳造業でも倒産・転廃が12年に12社、13年に14社と増加した。普通鋼電炉業でも2―3月に東京電力管内で2社、北海道電力管内で1社が撤退に追い込まれた。また電力コストの安い海外に生産移転を決めたスポンジチタンメーカーもある。 要望書では、第一に原発の再稼働を求めた。再稼働は安全確認が大前提だが、原子力規制委員会の安全審査の終了時期を明示することや、国が原発の立地自治体との調整の前面に立つことも必要だと強調している。これは電力を使う企業側が、合理的な経営判断を実施するための判断材料になる。 また同じ要望で、現行の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度への不満を表明している。固定価格買い取りの原資となる賦課金の際限ない拡大は製造コストを圧迫するからだ。 鉄鋼などの基盤産業は日本の国力の源泉であり、雇用の受け皿でもある。こうした産業が事業を存続できるような対策を政府が急ぐ必要がある。

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